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決算・株式・経営

中期経営計画の基本的な方向性について

第09042号

2009年度からの日本航空グループの中期経営計画は本年度半ばまでに発表の予定でしたが、世界同時不況の進行による航空需要の大幅かつ急速な減退という経営環境の変化を踏まえ、安定的な経営基盤を確立するための経営改善に向けた計画の基本的な方向性について、国土交通省から報告を求められましたので、以下のとおりとりまとめました。

今後、この基本的な方向性に基づき、需要回復に過度に依存しない供給構造への変革をはじめとして、抜本的なコスト削減施策等について聖域なく検討を行い、経営改善に向けた計画をできる限り早期に策定してまいります。

 

Ⅰ.基本的な考え方

 

1.航空事業のボラティリティを踏まえ、収益性が高く、リスク耐性の高いビジネスモデルを従前からのビジネスモデルに拘泥することなく構築します。

①今回の経済危機を経て内外の経済構造は大きく変化し、それに伴って航空需要も大きく構造変化しているとの認識に立ち、需要回復に過度に依存しない経営構造に向けた改善を実現するための中期経営計画を策定します。

②パンデミックリスク等の不慮の危機に対する耐性の高い経営基盤を確立します。

 

2.このため、現在の供給規模・組織運営体制等の供給構造を抜本的に変革します。

 

Ⅱ.現段階までに取り組みを開始している施策

 

A)国内旅客

07年度及び08年度において、路線収益の見込めない路線を対象として、23路線を廃止、11路線を減便。09年度においても、廃止7路線、減便1路線を計画しており、以上により、07年度から09年度の間で機材数を9機削減しました。

 

B)国際旅客

07年度及び08年度において、路線収益の見込めない路線を対象として、6路線を廃止、3路線を減便しました。09年度においても、廃止1路線、減便2路線を計画しています。

 

C)貨物事業

貨物事業のボラティリティリスクの圧縮を目指し、他社との提携を含む、抜本的事業改革の方策を検討中です。

 

D)コスト削減

08年度において、臨時手当の抑制等により人件費500億円削減、乗務手当を含む賃金制度の改定により50億円削減(09年度以降の通年化効果としては100億円削減)、07年度及び08年度の特別早期退職の取組により、06年度末グループ連結人員数53,100人を08年度末に47,526人まで5,574人削減しました。

09年度においては、企業年金制度の大幅改定による特別利益880億円の計上、再生中期プランの計画を上回る特別早期退職の実行、各部門における運営体制の見直しや業務プロセスの見直し等によるコスト削減に取り組むことを計画しています。

 

Ⅲ.計画期間中に実施する施策の方向性

 

Ⅱ.C)及びD)の確実な達成に加え、機材計画の見直し(機材のダウンサイズ、低効率機材の更新促進、高効率機材の導入促進、機材数削減)、収益路線への事業の集中、さらなる抜本的なコスト削減施策等を従前からのビジネスモデルに拘泥することなく検討します。

 

A)国内旅客

従来の需要想定をさらに固めに見積もった損益をベースとする路便計画の見直し(地点撤退を含む)に加え、機材のダウンサイズ及び機材数の削減による供給量削減、低効率機材の更新促進、リージョナル機導入促進、グループ航空会社運営体制の見直しによるコスト削減等を検討します。

 

B)国際旅客

従来の需要想定をさらに固めに見積もった損益をベースとする路便計画の見直し(地点撤退を含む)に加え、機材のダウンサイズ及び機材数の削減による供給量削減、低効率機材の更新促進、高効率機材の導入促進によるコスト削減等を検討します。

 

C)貨物事業

抜本的な事業改革方策として他社との提携を検討しつつ、貨物事業のボラティリティリスクを極小化する観点から、ビジネスモデルの見直しを含む大幅なコスト削減の方策も平行して検討します。

 

D)コスト削減等

企業年金制度の大幅改定、特別早期退職の実行に加え、事業計画の見直しをドライバーとして、整備・運航・客室・空港・営業・間接部門など全部門にわたる運営体制や業務プロセスにかかわるコスト効率化の深掘りに着手しつつ、さらなる抜本的コスト削減施策等を聖域を設けずに検討します。

 

ただし、機材更新計画の現実性・実効性、およびファイナンスの手法・時間軸については、各関係者の事情等の調整も含めて、今後慎重に見極めていきます。

以 上

 

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JGN09042.pdf

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