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第19015号
決算・株式・経営

JALグループ 2019年3月期 連結業績

JALグループは、本日、2019年3月期連結業績(2018年4月1日~2019年3月31日)について取りまとめました。詳細につきましては、別紙「2019年3月期 決算短信(連結)」をご参照ください。

当連結会計年度における経営環境を概括すると、日本および米国をはじめとする世界主要国経済は、米中貿易摩擦や欧州の政局の不安定さがあったものの、緩やかな成長が持続しました。
国際線および国際貨物の航空需要は、上期は好調に推移し、下期以降はやや伸びが鈍化したものの、概ね順調に推移しました。また、国内線の航空需要については引き続き堅調に推移しました。燃油費、ならびに国際線旅客収入および国際線貨物収入に影響を与える原油価格については、上期では対前年同期比で大幅に上昇し、下期に入り、中国経済の減速などにより下落に転じ、2019年1月以降、OPEC総会での原油減産合意や米中貿易協議の進展期待などにより再び上昇に転じるなど、不透明な状況となっております。

このような経済状況の中で、当社は2018年4月1日からの新経営体制のもと、安全と安心を徹底的に追求し、「挑戦、そして成長へ」をテーマに、2020年度までの中期経営計画の実現に向けた取り組みを進めてまいりました。

以上の結果、当連結会計年度における営業収益は1兆4,872億円(前年同期比7.5%増加)、営業費用は1兆3,111億円(前年同期比8.5%増加)となり、営業利益は1,761億円(前年同期比0.9%増加)、経常利益は1,653億円(前年同期比1.3%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,508億円(前年同期比11.4%増加)となりました。

1. JALグループ連結業績

  • ①業績.png

     

2.連結業績の概要
(国際線)
・国際線旅客においては、日本発需要が堅調に推移したことに加え、訪日外国人数が2018年に初めて3,000万人を超え3,119万人に達するなど、海外発需要は旺盛に推移しました。拡大する需要の獲得に向け、需給適合のための客室仕様の改修による供給座席数の増加や、昨年度に開設した路線(成田=コナ線、成田=メルボルン線、羽田=ロンドン線の2便目)の通年化などにより積極的に供給を拡大した結果、有効座席キロは前年同期比6.0%増となり、旅客数は前年同期比6.3%増、有償旅客キロは前年同期比6.3%増、有償座席利用率は過去最高の81.3%となりました。
・路線運営面では、新規路線として、羽田=マニラ線(2019年2月1日より)、成田=シアトル線(2019年3月31日より)を開設したことに加え、2020年夏期ダイヤまでに、成田=ベンガルール線を開設することを発表しました。
・他航空会社との提携関係の強化・拡大にも努め、S7航空、ガルーダ・インドネシア航空、ベトジェットエア、アエロメヒコ航空、フィジーエアウェイズ、VISTARA、アラスカ航空とのコードシェアの開始、拡充を行いました。加えて、ブリティッシュ・エアウェイズが就航する関西=ロンドン線、フィンエアーが増便を行う関西=ヘルシンキ線で共同事業を拡充しました。さらに、フィンエアーが新規就航する札幌(新千歳)=ヘルシンキ線での共同事業の拡充を発表しました。
・提携航空会社との共同事業展開も推進すべく、6月にはハワイアン航空、10月には中国東方航空と、それぞれ共同事業に向けた独占禁止法の適用除外を申請し、2020年3月期中の共同事業開始を目指しております。
・商品・サービス面では、12月からは特典航空券をさらに便利にご利用いただくため、「JAL国際線特典航空券PLUS」を導入し、これまでのJAL国際線特典航空券ではキャンセル待ちになるような場合でも、追加のマイルをいただくことで座席の確保が可能となりました。また、2019年4月からは国際線の予約受付開始日がご搭乗日の330日前から360日前となり、世界標準レベルの360日先の航空券の予約・発券が可能となります。
・ハワイ線においては、新しいハワイのコンセプトワード「Style yourself ~JAL HAWAII~」のもと、多様化するお客さまのニーズに合わせた新しいサービスを導入し、選好性をさらに高めるべくサービスの拡充に努めました。8月にはホノルル空港ラウンジをリニューアルし、10月からは提携ホテルでのアーリーチェックインサービスの提供、ハワイアン航空とマイレージプログラムの提携を開始し、2019年3月末からは空港におけるJAL専用セルフサービスチェックインを開始しました。
・2017年11月に刷新した旅客基幹システムも順調に稼働しており、イールドマネジメントの精緻化や海外のWEB販売チャンネルでの増収など、着実に効果が現れております。
・以上の結果、国際旅客収入は5,306億円(前年同期14.6%増加)となりました。
・国際線貨物においては、上期の需要は自動車関連を中心に堅調に推移しましたが、下期以降半導体関連の需要の伸びが鈍化しました。

(国内線)
・国内線旅客においては、9月に発生した台風21号に伴う関西国際空港の高潮被害や「平成30年北海道胆振東部地震」に伴う欠航などの影響を受けました。一方で、堅調に推移する需要に対応すべく、伊丹発着路線を中心にエンブラエル190型機の運航路線をさらに拡大したことに加え、日本トランスオーシャン航空が運航する那覇発着路線には「JAL SKY NEXT」を装着したボーイング737-800型機の投入を拡大するなど、提供座席数の増加に努めました。
・その結果、有効座席キロは前年同期比1.1%増となり、旅客数は前年同期比2.4%増、有償旅客キロは前年同期比2.2%増、有償座席利用率は過去最高の72.5%となりました。
・「平成30年北海道胆振東部地震」からの観光需要の回復に向けては、北海道発着路線において、通常よりもさらにお得な価格でご利用いただける特別運賃「応援先得」、JALダイナミックパッケージによる「北海道応援割」、「JALで行こう北海道ふっこう割」ならびに「北海道義援金ツアー」などの旅行商品販売を展開し、被災地の復興に協力しました。
・さらに、訪日外国人需要に対しては、国内線割引運賃「JAL Japan Explorer Pass」について、北海道発着路線ならびに関西圏(関西・伊丹・南紀白浜)を発着する路線における期間限定の値下げを実施し、インバウンドを含めた観光需要の活性化に努めました。
・路線運営面では、2018年7月より日本エアコミューターが運航するアイランドホッピングルート(徳之島=沖永良部=那覇線)を新たに開設し、奄美群島エリアの更なる交流人口拡大に努めるとともに、鹿児島発着路線において、日本で初めてATR72-600型機の運航を開始しました。
・商品・サービス面では、より使いやすいマイレージサービスの実現に向け、10月より特典航空券の予約申し込み期限をご搭乗日前日まで延長したことに加え、国内線特典航空券「どこかにマイル」については、四国旅客鉄道株式会社および九州旅客鉄道株式会社との協業により、鉄道のフリーきっぷをマイルで交換できるオプションサービスを開始しました。
・2019年2月から3月にかけては、国内線各空港において、順次新たなチェックインシステムの導入を開始し、旅客基幹システムの刷新プロジェクトを完遂しました。国内線においても、新しい旅客基幹システムの効果により、より精緻なイールドマネジメントが可能となりました。
・以上の結果、国内旅客収入は5,280億円(前年同期比1.9%増加)となりました。

3.JALグループ連結財政状況

  • ③財政状況.png

     

4.株主還元について

当社は、株主の皆さまへの還元を経営の最重要事項のひとつとしてとらえており、将来における企業成長と経営環境の変化に対応するための投資や強固な財務体質構築に資する内部留保を確保しつつ、継続的・安定的な配当に加え、自己株式の取得を柔軟に行うことで、株主の皆さまへの還元を積極的に行うことを基本方針としております。2019年度以降の株主還元については、以下のとおりとします。
配当金額については、実効税率の上昇にかかわらず配当水準を維持すべく、配当性向を概ね35%程度を目安としつつ、継続性・安定性および予測可能性を重視して決定してまいります。加えて、自己株式の取得については、当社の財務状況などを見据え、積極的かつ柔軟に実施を検討します。これにより、ステークホルダーの皆さまへの期間利益および経営資源の適切な配分を実施することで、配当金総額と自己株式取得額の合計額を踏まえた総還元性向について、概ね35%から50%程度の範囲となるよう努めてまいります。
また、資本効率の向上にも継続的に取り組み、配当金総額と自己株式取得額の合計額を株主に帰属する資本で除した「株主資本総還元率」の水準にも留意し、同指標については概ね3%以上となるよう努めてまいります。
以上により、当期の期末配当については、1株当たり55円を予定しております。これにより、当期の1株当たりの年間の配当金は、中間配当55円と合わせて110円となります。また、次期の配当金予想は1株当たり110円、うち中間配当予想は55円としております。自己株式取得については、200億円を上限として実施することを、2019年4月26日開催の取締役会において決議しました。なお、本件により取得した自己株式は、会社法第178条の規定に基づく取締役会決議によりすべて消却する予定です。
今後もより一層、資本効率の向上と安定的な株主還元の実現に努めてまいります。

  • ④株主還元.png

     

5.JALグループ連結業績予想について

  • ⑤業績予想.png

     

業績予想については、2017~2020年度JALグループ中期経営計画ローリングプラン2019公表時(*)から修正はございません。

(*) 2019年2月25日付プレスリリース第18146号 「『2017~2020年度JALグループ中期経営計画ローリングプラン2019』を策定」参照 URL: http://press.jal.co.jp/ja/release/201902/005076.html

以上

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