プレスリリース
JALグループ 平成21年3月期 第3四半期連結業績の概況について
第08143号
JALグループは、本日、平成21年3月期の第3四半期連結業績の概況(平成20年4月1日~12月31日)、および平成21年3月期業績見通しについて取り纏めました。
グループ事業の本業である航空運送事業の当期の営業収益は前年同期比181億円減の1兆3,743億円、営業損益は同888億円減の▲175億円となり、前年を下回る結果となりました。
平成21年3月期の業績見通しについては、世界規模での景気減速による航空需要の減少が今後も継続して続くと想定されることから、今般修正いたしました。その結果、連結当期純損益見通しについても同様の理由から▲340億円となる見込みです。
概要は以下のとおりです。
1.JALグループ連結業績(4~12月)
(単位:億円)
|
平成21年3月期 第3四半期決算 |
平成20年3月期 第3四半期決算 |
増減額 |
前年同期比 |
営業収益 |
15,593 |
17,011 |
▲1,418 |
91.7% |
(国際旅客) (国内旅客) (国際貨物) (その他) |
(5,702) (5,209) (1,335) (3,345) |
(5,729) (5,201) (1,436) (4,644) |
(▲ 27) ( 8) (▲ 100) (▲1,299) |
99.5% 100.2% 93.0% 72.0% |
営業費用 |
15,681 |
16,186 |
▲ 504 |
96.9% |
営業損益 |
▲ 88 |
825 |
▲ 914 |
- |
経常損益 |
▲256 |
792 |
▲1,049 |
- |
第3四半期純損益 |
▲ 19 |
204 |
▲ 223 |
- |
・本業である航空運送事業セグメントにおいては、世界的な景気悪化の中、引き続き再生中期プランに沿って低収益路線の運休および減便を含む路線の見直しや運航機材のダウンサイジング、プレミアム戦略の加速等を積極的に行った結果、国際旅客収入は前年同期比99.5%に留まったほか、国内旅客収入は前年同期とほぼ同水準の100.2%となりましたが、国際貨物収入が同93.0%となったため、航空事業セグメントにおける営業収益は前年同期を181億円下回りました。また、連結営業収益については、航空運送関連事業セグメントに属していた連結子会社であったPACIFIC FUEL TRADING CORPORATION(以下、PFTC)が連結対象から外れたことなどを主因に前年同期比1,418億円減の15,593億円となりました。
・費用面では、燃油価格がかつてない乱高下を示す中、燃油消費量削減に向けた取り組み等を積極的に行い燃油費上昇の抑制に努めましたが、燃油費は前年同期比1,074億円の大幅増加となりました。その他の費用については、従来から取り組んでいる聖域なき費用削減に取り組んだ結果、多くの項目で前年同期を下回りました。また、連結営業費用については、PFTCが連結対象から外れたことなどもあり、連結の営業費用は前年同期比504億円減少の15,681億円となりました。
・上記の結果、連結の営業損益は前年同期比914億円減の▲88億円、経常損益は同1,049億円減の▲256億円となりました。これに特別損益等を加味した結果、第3四半期純損益は同223億円減の▲19億円となりました。
2.航空運送事業セグメントの概要
【営業収益】
(国際旅客)
・供給については、路線の見直しに加え、米州線や中国線を中心に運航機材のダウンサイジングを着実に進めたことから、有効座席キロベースで前年同期比4.5%の減少となりました。
・需要については、観光需要が低調に推移したほか、第1四半期までは好調であったビジネス需要や海外発需要についても世界景気の急速な悪化の影響により秋口以降低迷しました。食の問題の影響が尾を引いた中国線をはじめとして、全ての路線で前年割れとなりました。これらの結果、有償旅客キロは前年同期比12.5%減少し、有償座席利用率も同6.1ポイント低下の65.8%となりました。
・旅客収入については、プレミアム戦略の加速によるファースト・ビジネスクラス比率および「JALプレミアムエコノミーサービス」対象路線の拡大、運賃・燃油サーチャージの引き上げ等を背景に単価が前年同期比13.8%上昇したことから、国際旅客収入は同0.5%減に留まり5,702億円となりました。
(国内旅客)
・供給については、路線の見直しや運航機材のダウンサイジングを引き続き進めたことを背景に、有効座席キロベースで前年同期比1.2%減となりました。
・需要については、供給減もあり、個人旅客は上期より総じて前年を下回って推移していましたが、特に11月以降は景気減速の影響を受けて伸び悩みました。団体旅客は積極的な旅行商品造成などの需要喚起施策により、11月まで前年同期を上回って推移したことから、有償旅客キロベースで、前年同期比0.6%増となりました。この結果、有償座席利用率は同1.2ポイント上昇の64.7%となりました。
・旅客収入については、団体旅客比率上昇や運賃種別の変化等により、単価が前年同期比0.4%低下となりましたが、国内旅客収入は同0.2%増の5,209億円となりました。
・供給については、収益性の向上を企図したボーイング747在来型貨物専用機の退役完了に加え、貨物便および旅客便の路線見直しによる貨物スペースの縮小もあり、有効貨物トンキロベースで前年同期比5.8%減となりました。
・需要については、供給体制の見直しと世界的な景気後退や円高等を背景に、米州線、欧州線が前年を大幅に下回って推移したほか、東南アジア線や中国線も下期に入り落ち込んだ結果、有償貨物トンキロベースで14.0%減少となりました。
・貨物収入については、高付加価値商品「J PRODUCTS」の拡充や販売努力に加え、燃油サーチャージの見直しにより、単価は前年同期比8.2%上昇しました。この結果、国際貨物収入は同7.0%減の1,335億円となりました。
【営業費用】
(燃油費)
・燃油費については、全社を挙げて燃料の使用量削減施策に取り組み、可能な限り燃油費高騰のインパクトの吸収に努めました。また、円高のメリットも享受しましたが、燃油市況の高騰もあり、燃油費は前年同期比1,074億円増の4,145億円となりました。
(参考:10~12月)
|
平成21年3月期 10~12月 |
平成20年3月期 10~12月 |
増減額 |
前年同期比 |
営業収益 |
4,857 |
5,582 |
▲725 |
87.0% |
(国際旅客) (国内旅客) (国際貨物) (その他) |
(1,763) (1,684) ( 381) (1,027) |
(1,887) (1,673) ( 521) (1,499) |
(▲123) ( 10) (▲140) (▲472) |
93.4% 100.6% 73.2% 68.5% |
営業費用 |
5,247 |
5,323 |
▲ 75 |
98.6% |
営業損益 |
▲390 |
259 |
▲650 |
- |
経常損益 |
▲436 |
205 |
▲642 |
- |
第3四半期純損益 |
▲385 |
131 |
▲517 |
- |
3.JALグループ平成21年3月期(平成20年4月1日~平成21年3月31日)連結業績見通し
世界的な景気後退により、航空需要は極めて厳しい環境にあることを踏まえ、今般改めて収入・費用両面で今後の見通しを精査した結果、平成20年3月期決算時(平成20年5月9日)に公表した、平成21年3月期の連結業績予想を以下のとおり修正いたしました。
|
修正見通し |
前回修正見通し (2008年11月7日時点) |
増減額 |
営業収益 |
19,770 |
20,930 |
▲1,160 |
(国際旅客) (国内旅客) (国際貨物) (その他) |
(7,120) (6,720) (1,580) (4,350) |
(7,650) (6,910) (1,875) (4,495) |
(▲530) (▲190) (▲295) (▲145) |
営業費用 |
20,140 |
20,650 |
▲510 |
営業損益 |
▲370 |
280 |
▲650 |
経常損益 |
▲630 |
50 |
▲680 |
当期純損益 |
▲340 |
130 |
▲470 |
・上記の目標の前提は、下期の米ドル円為替レート95.2円、同シンガポールケロシン市場価格を1バレル当たり77.5米ドルと想定しています。
・世界的な景気後退による航空需要の冷え込みにより、売上高は想定を大きく下回って推移することが想定されます。
・営業費用については、これまで継続的に取り組んできた聖域なきコスト削減の効果に加え、下期以降、様々な費目を対象として実施している追加的緊急収支改善策により、あらゆる費用で削減効果が発現すると想定しています。また、為替の円高等から、燃油費が見通しを下回って推移していることもあり、費用全体では想定を下回る予定です。
・以上の結果、売上高は1,160億円減の19,770億円に減少する見込みですが、営業費用削減策の進捗から、営業損益は前回修正見通し比650億円減少の▲370億円、経常損益は同680億円減少の▲630億円となる見通しです。また、連結当期純損益は▲340億円となる見込みです。
4.2009年度以降の計画について
2009年度計画については、世界的な経済環境の激変もあり、現段階では需要動向の先行きが見通せない状況にある事から、引き続き状況を注意深く見極めつつ、最大限の収支改善策を具体化したうえで、3月中旬までに発表します。
また、上記の計画策定にあたっては、現中期計画において推し進めているコスト構造改革の深化を含め実行するとともに、需要や競合社の動向等を見極めつつ、必要に応じさらなる路線便数計画の最適化、ならびに投資計画の圧縮に努めてまいります。
コスト構造改革については、燃油・調達物流・間接部門・システム関連・整備部品・販売流通・顧客サービス・不動産関連といった8つの分野において、ビジネスデザイン・業務プロセスに踏み込んだ効率化施策を実施しており、2008年度においても、燃油・調達物流関係の施策を中心に、今下期に前倒しで90億円程度の費用削減を実現できる見込みです。また、2009年度以降については、全ての分野における施策効果の発現を予定しており、現時点での施策実施効果は、既に2009年度で500億円規模に達しています。
一方、景況感の一段の冷え込みを背景に、需要の落ち込みが想定以上に大きくなっていることも事実であり、コスト構造改革の深化に加え、人件費にかかわる施策も含め、あらゆる収支改善に向けて検討を深めてまいります。
また、2010年度以降については、コスト構造改革にかかわる施策の通年化効果および深化により、さらに大きな効果が出る見通しです。これらを踏まえたうえ、2010年度に予定されている成田・羽田の発着枠拡大に伴う中長期ビジネスモデルのあり方と併せ、2010年度以降の中期経営計画を2009年度半ばまでに発表します。
以 上
添付資料:平成21年3月期 第3四半期決算短信
JGN08143.pdf
*印刷をされる方はこちらをご利用下さい。
JGN08143A.pdf