プレスリリース
日本初、マルチプレイVRを活用した客室乗務員訓練の実証実験を開始
~航空機内を忠実に再現した仮想空間で、いつどこでも多様な訓練を実現~
JALは機内の安全確認を行う客室乗務員訓練において、日本の航空会社では初めてマルチプレイVR(*1)を活用した実証実験を10月13日(火)~10月30日(金)までの期間に実施します。客室乗務員は、年間を通して専用の訓練施設でさまざまな訓練を行っており、効率的な計画・実行が必要とされます。
今回の実証実験では、マルチプレイVRを活用して、機内環境を忠実に再現した仮想空間のなかで、出発前の機内準備に必要な動作、手順などを単独、またはチームプレーで学ぶ訓練を実施します。仮想空間では、機内設備に加えて、着席したお客さまの再現ができ、実際のフライトに近い環境で実践的な訓練ができます。また、VR機器は持ち運びが可能なため、場所や時間の制限を受けずいつでもどこでも使用でき、効率的な訓練の実施が期待されます。
(*1)同一の仮想空間上に複数の操作者がログインでき、お互いの作業を見たり共同で作業を行ったりできる特長を持つVR
【マルチプレイVRを活用した客室乗務員訓練の特徴】
1. 的確で効率的な訓練の実現
仮想空間では最大で4名の訓練生が同時に訓練できるほか、仮想空間の訓練全体の様子は、録画やライブで、インストラクターがモニター画面でチェックできます。そのため、各訓練生に対して動作や行動に関するアドバイスや評価を視覚的に示しながら実施でき、効果的な理解促進と知識の定着を図ります。
2. お客さまとのコミュニケーションが可能
仮想空間上では、座席に着席された状態に加えて、座席の背もたれやテーブルを元に戻していないお客さまも再現できます。安全確保のため、仮想空間上のお客さまへお声掛けをすると、テーブルを元に戻していただけるといったコミュニケーションが可能なため、より実際のフライトに近い環境のなかで、お客さま視点に沿った行動・動作を身に付ける訓練を実施できます。
3. 安全確認の徹底
座席の上の手荷物収納棚や、ギャレーに設置された扉やカートを固定するラッチの確認など、忠実に再現された航空機内で、安全確認業務を繰り返し実施でき、理解の深化と知識の定着を図り、確実な業務遂行を図ります。
今後は、専用施設での訓練と並行した活用による効率化に加えて、従来の訓練では難しかった、実際のフライトに近い環境を再現できるマルチプレイVRの特性を活かした客室サービス品質のさらなる向上に向けて検討を進めます。JALはこれからも最新の技術を活用し、安全運航の堅持に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。
※本件は、JAL Innovation Lab(*2)発のプロジェクトです。
(*2)2018年5月29日付プレスリリース 第18024号「オープンイノベーションの拠点としてJAL Innovation を開設」
参照URL:http://press.jal.co.jp/ja/release/201805/004736.html
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