プレスリリース
JAL初の医薬専用定温庫を、成田空港で10月1日より運用開始
リリースの概要
・医薬品の国内輸出入最大取扱い規模を誇る成田空港に、国内空港内で最大面積の医薬専用定温庫を新設。
・温度管理に加え、清潔な保管環境や高いセキュリティ機能、BCP対策を備え、高品質な医薬品輸送を提供。
JALは、当社では初となる、医薬専用定温庫「JAL MEDI PORT」を成田空港 貨物ターミナル地区に新設しました。「JAL MEDI PORT」は国内空港内の医薬専用定温庫では最大となる総面積840㎡を誇り、今後ますます高まることが期待される医薬品の航空貨物需要に対応してまいります。中期経営計画で掲げている「品質管理やリードタイム短縮を可能にする生産体制の構築による高単価な貨物需要の取り込み」に向け、高品質なハンドリングと保管サービスを2022年10月1日から開始します。ESG戦略の一環として、航空の強みを活かした、高付加価値な医薬品貨物輸送を通して、新たな社会基盤を創ることを目指してまいります。
医薬品の製造工場は、日本をはじめ欧州のスイスやドイツ、北米などを中心に設置されており、日々世界各地へさまざまな薬が運ばれています。そのなかでも、厳格な温度・時間管理と輸送品質が求められる治験薬や試薬、ワクチンなどの医薬品のほとんどは航空貨物で取り扱われています。
医薬品の輸送品質に対して、欧州では「GDP基準(*)」が定められており、現在、日本国内でも適用に向けた法制化の検討が進められています。GDP基準では空港において、「温度管理機能」・「清潔な衛生環境」・「セキュリティ機能」や「BCP対策」などを備える「医薬専用定温庫」が求められています。「JAL MEDI PORT」では、GDP基準に準拠した温度・衛生管理と高いセキュリティ機能とJALがこれまで培ってきた医薬品輸送ノウハウを活かした、世界最高品質の医薬品輸送サービスによる高単価貨物の取り込みと新たな市場開拓による医薬品取り扱い量の拡大を目指します。加えて、他の航空会社などが輸送する医薬品の受託拡大にも取り組み、貨物事業の収益性向上を実現してまいります。
(*)医薬品が製造工場から患者様の手元に届くまでの流通過程における品質保証を目的とした基準
■温度管理機能
+2℃~+8℃および+15℃~+25℃で温度設定された冷蔵室、定温室を有するほか、庫内の温度変化を抑えるため、搬出入時の空気流出入を緩衝する前室、防熱扉、高速シートシャッター、エアカーテンを完備しています。また、庫内環境は温度監視システムにより、常時モニタリングされています。そのほか、充電式定温コンテナを複数台同時に再充電することが可能です。
定期的な清掃および防虫・防鼠対策、また排気ガスによる粉塵や外部からの病害類の持ち込みを予防するため、定温庫内専用器材として、電動フォークリフトと輸送用のパレットを配備しています。
前室、定温室、冷蔵室の各室に全方位を網羅する監視カメラを設置し、夜間も消灯することなく24時間継続的に監視を行います。また、当施設 には立入証によって出入管理を行い、セキュリティを確保します。庫内の空調機器は、万が一の故障などに備えたバックアップを完備しています。
■その他
庫内での貨物の仕分けおよび保管・コンテナへの貨物の積み付け、解体作業を行うスタッフは全員、医薬品取扱いのための社内専門教育を受講しています。
■新サービス「JAL SOLUTIONS PHARMA PLUS」
これまでの医薬品専用輸送サービスである「JAL SOLUTIONS PHARMA」に加えて、当施設をご利用いただき、GDP基準を満たす安全品質をご提供する新たなサービスとして、「JAL SOLUTIONS PHARMA PLUS」の提供を10月1日より開始します。
また、現在、JALではIATAが策定した医薬品航空輸送の認証プログラムであるCEIV Pharma(the Center of Excellence for Independent Validators in Pharmaceutical Logistic)の認証取得に向けた準備を進めています(2023年4月認証取得予定)。「JAL MEDI PORT」における各種サービスのご提供、そしてIATA/ CEIV Pharma認証取得による徹底した品質管理およびリスク管理を成田空港における医薬品貨物ハンドリングの両輪としながら、JALはさらに安全・確実・高品質な医薬品貨物輸送をお客さまにご提供していまいります。
以上