プレスリリース
JALグループ 平成25年3月期連結業績の概況
第13020号
JALグループは、本日、平成25年3月期連結業績の概況(平成24年4月1日~平成25年3月31日)について取りまとめました。詳細につきましては、別紙「平成25年3月期 決算短信(連結)」をご参照ください。
わが国経済は、東日本大震災の復興需要などを背景に、緩やかながらも回復基調にありました。しかしながら、世界景気の減速などを受け、回復の動きが弱くなっておりました。その後の平成24年12月の政権交代以降、輸出は依然緩やかに減少しているものの、設備投資や生産は持ち直してきており、企業収益や雇用情勢にも改善の兆しがみられました。
この間、JALグループを取り巻く事業環境は、尖閣・竹島問題による一時的な航空需要の減退、本邦ローコストキャリア(LCC)の新規参入、燃油市況の高止まりおよび円安基調による燃油費の増加などにより厳しさを増しました。
こうしたなか、JALグループでは、2012年2月15日に発表しました中期経営計画で掲げた目標達成に向けて、安全運航の堅持を基盤とした上で、お客さまに最高のサービスを提供できるように努めるとともに、「JALフィロソフィ」と「部門別採算制度」によって採算意識を徹底し、経営の効率化を図りました。
以上の結果、当連結会計年度のグループ連結売上高は1兆2,388億円(前期比2.8%増)、営業費用は1兆435億円(前期比4.4%増)となり、営業利益は1,952億円(前期比4.7%減)、経常利益は1,858億円(前期比6.0%減)、当期純利益は1,716億円(前期比8.0%減)となりました。
1.JALグループ連結業績 (単位:億円)
|
平成24年3月期 連結業績 |
平成25年3月期 連結業績 |
増減 |
前年同期比 |
グループ連結売上高 |
12,048 |
12,388 |
+340 |
102.8% |
(国際旅客) (国内旅客) (国際・国内貨物) (その他) |
(3,852) (4,811) (788) (2,595) |
(4,066) (4,852) (755) (2,714) |
+213 +41 ▲32 +118 |
(105.5%) (100.9%) (95.9%) (104.5%) |
営業費用 |
9,998 |
10,435 |
+437 |
104.4% |
営業利益 |
2,049 |
1,952 |
▲96 |
95.3% |
(営業利益率) |
(17.0%) |
(15.8%) |
(▲1.2) |
- |
経常利益 |
1,976 |
1,858 |
▲118 |
94.0% |
当期純利益 |
1,866 |
1,716 |
▲149 |
92.0% |
*億円未満切り捨て
*%表示は、小数第2位を四捨五入
2.連結業績の概要
(国際旅客)
国際線旅客においては、「お客さまから一番に選ばれるエアライングループ」の実現に向け、収益性向上および商品・サービス向上への取り組みを一層加速させました。
供給については、13年ぶりの太平洋線新規就航地点として、4月22日からのボストン線に加え、12月2日からはサンディエゴ線を開設しました。需要が拡大しているアジア線では、10月末より成田=デリー線の増便(週5便から週7便)および成田=シンガポール線の増便(週7便から週14便)を行い、生産資源の最大活用による収入極大化に努めました。一方、尖閣問題により需要が減退した中国線については、速やかな減便を実施して収支への影響を最小限に抑えました。結果、有効座席キロベースで前期比4.0%の増加となりました。
需要については、欧米・東南アジアへの旅行需要が好調であったこと、共同事業パートナーであるアメリカン航空の販売網を活かしてアジア・米州地域から広く集客を図ることができたこと、業務需要が減少する夏休み期間にあわせたビジネスクラスのスペシャル運賃や、長期滞在用のロングバケーション運賃など、新たな需要の創出を狙った運賃を積極的に投入し、新規のお客さまの獲得に努めたこと、などの結果、有償旅客キロベースで前期比12.3%増加し、有償座席利用率(L/F)は同5.6ポイント増の76.1%となりました。
アライアンスについては、ブリティッシュ・エアウェイズとの日本=欧州間における共同事業を10月1日より開始し、東京(成田・羽田)=ロンドンおよびロンドン以遠のコードシェア設定と共同運賃の発売を行うことで欧州線ネットワークの強化を図りました。さらに、ロシアのS7航空とのコードシェアを1月から開始し、ロシアのネットワーク強化を図りました。日本=アジア間では、ワンワールドに加盟したマレーシア航空と7月より、バンコク・エアウェイズと11月よりコードシェアを開始し、東南アジアの拠点としてクアラルンプールとバンコクを加えることにより、アジア・中東方面との乗り継ぎ利便性が高まり、新たな需要獲得が可能となりました。
商品・サービスについては、スマートフォンやパソコンなどの無線LAN機能を利用して、機内でインターネットがご利用いただける『JAL SKY Wi-Fi』サービスを成田=ニューヨーク線・シカゴ線・ロサンゼルス線・ジャカルタ線に展開しました。また、1月からは、「全クラスにおいて、1クラス上の最高品質」をコンセプトとして、新シート・新サービスを成田=ロンドン線に投入しました。ビジネスクラスにおいては、全席から通路へ直接アクセスできるフルフラットシートを導入し、日本が世界に誇るスターシェフ考案の機内食を提供しております。また、世界最大級の座席ピッチのプレミアムエコノミー、既存シートより足元スペースを約10cm拡げたエコノミークラスも好評いただいております。
以上の結果、国際旅客収入は4,066億円(前期比105.5%)となりました。
(国内旅客)
国内線旅客においては、需要喚起策の実施と需給適合による収益性の向上を図りました。
供給については、上期は前年の東日本大震災により低下した旅客需要の回復がみられた羽田からの各方面、および復興需要が大きくみられた東北発着路線を中心に増便や運航機材の大型化を実施し、福岡=花巻線、札幌=新潟線の定期路線再開などネットワークの拡充も行いました。下期は季節による需要の変動などに応じて羽田=出雲線、札幌=仙台線、福岡=宮崎線において増便を実施し、収入の極大化に努めました。結果、有効座席キロベースで前期比2.6%の増加となりました。
需要については、需要喚起型運賃である「先得割引」「スーパー先得」について、ご搭乗55日前までにご購入いただくと従来よりもさらにお得となる運賃を新たに加え、さらに年末年始期間(12月29日~1月3日)には「先得割引」「スーパー先得」を初めて設定し、帰省やご旅行などの目的で、多くのお客さまにご利用いただきました。また、オフィシャルパートナーである東京スカイツリーのツアー商品などにより販促強化を行い、観光需要の喚起に努めました。伸張著しいモバイルへの対応としては、スマートフォンなどのモバイル端末から「JALダイナミックパッケージ」の予約・購入ができるサービスを開始したほか、ご搭乗口までの最適なルートをご案内する「JALエアポートナビ」や、空港でチェックインが不要となる「JALタッチ&ゴー」サービスなどのスマートフォン向けの新たなアプリケーションを多数ご提供し、多様化するWEBチャネルの総合的な充実を図ったことなどの結果、有償旅客キロベースで前期比3.4%増加し、有償座席利用率(L/F)は同0.5ポイント増の63.1%となりました。
商品面では、導入以来高い評価をいただいている「JALファーストクラス」サービスの設定便を大幅に増やしたことに加え、8月からは新たに羽田=沖縄線にも導入しました。ビジネスでご利用いただくお客さまから人気の高い「クラスJ」についても増席し、さらなる利便性の向上に努めました。
以上の結果、国内旅客収入は、4,852億円(前期比100.9%)となりました。
(国際・国内貨物)
国際線貨物においては、日本発着総需要が低迷する中、営業部門による新規顧客拡大や既存顧客へのサービス向上などきめ細かい販売対応およびトランジット貨物の取り込みによる収入の極大化を図りました。営業面では、羽田空港の地理的優位性を生かし、生鮮品やエクスプレス貨物を積極的に誘致した他、高度な温度管理で医薬品などを輸送するサービス「J SOLUTIONS PHARMA」を一層展開してまいりました。結果、有償貨物トン・キロベースで前期比4.9%の増加となりましたが、収入については競争の激化等により前期比6.1%減の504億円となりました
国内線貨物においては、下期以降需要が軟調に推移する中、顧客との関係強化によって生鮮貨物や宅配貨物の需要の取り込みに努めました。また、需要に応じて柔軟に臨時便を運航し、顧客のニーズに応えました。結果、有償貨物トン・キロベースで前期比1.2%の増加となり、収入は前期比0.2%増の250億円となりました
3.JALグループ連結財政状況 *億円未満切り捨て
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平成24年3月期 |
平成25年3月期 |
増減 |
総資産(億円) |
10,876 |
12,166 |
1,289 |
純資産(億円) |
4,138 |
5,831 |
1,693 |
自己資本比率(%)(注1) |
35.7 |
46.4 |
10.7 |
オンバランス 有利子負債残高(億円) |
2,084 |
1,601 |
▲483 |
D/Eレシオ(注2) |
0.5 |
0.3 |
▲0.3 |
(注1)自己資本は純資産合計から少数株主持分を控除しています。 (小数第2位を四捨五入)
(注2)D/Eレシオ=オンバランス有利子負債残高÷自己資本 (小数第2位を四捨五入)
4.JALグループ平成26年3月期 連結業績予想
グループ連結売上高については、国際線におけるヘルシンキ線の開設や、国内線における伊丹路線の増便、需要に応じた柔軟な機材配置等により、平成25年3月期と比べて331億円の増加を見込んでいます。
連結営業費用については、供給量の拡大により燃油費および運航施設利用費の増加に加えて、市況の想定を足元の燃油・為替の状況にあわせて設定したことなどにより、平成25年3月期と比べて884億円の増加を見込んでいます。
結果、連結営業利益は、平成25年3月期と比べて552億円減の1,400億円となる見込みです。
(単位:億円) |
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
当期純利益 |
平成26年3月期 連結業績予想 |
12,720 |
1,400 |
1,270 |
1,180 |
5. 配当方針および当期の配当
当社は、株主に対する利益還元を経営の最重要課題のひとつとしてとらえており、将来における企業成長と経営環境の変化に対応するための投資や強固な財務体質構築に資する内部留保金を確保しつつ、継続的な配当による株主への利益還元を積極的に行うことを基本方針としております。
株主の皆さまへは日頃の感謝の意を表すとともに、将来の投資や強固な財務体質の構築等を総合的に勘案した上で、期末配当金につきましては前回予想から10円増額し、1株あたり190円を予定しております。
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期末 |
合計 |
平成25年3月期 配当金 |
190円00銭 |
190円00銭 |
<参考:前回予想 (2013年2月4日発表)>
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期末 |
合計 |
平成25年3月期 配当金(予想) |
180円00銭 |
180円00銭 |
(別紙)
*印刷をされる方はこちらをご利用下さい。
20130430_JGN13020_JALグループ 平成25年3月期連結業績の概況.pdf